食用のツバメの巣は、東南アジアのごく一部の地域に生息するアナツバメという種類のツバメが、繁殖期に自らの唾液を吐いて固めて作った巣です。日本では中華料理の高級食材として、美しさを追求する女性憧れの食材です。
この巣にはさまざまな栄養が含まれていることから、中国では古くから漢方の中で、美肌だけでなく栄養補給や免疫を高める効果があると言われ、健康維持のために裕福な人々が好んで食べていました。玄宗皇帝の后、楊貴妃も毎日食していたといわれています。
現在でも裕福な中国人や華僑たちが、美肌維持と風邪予防にツバメの巣を積極的に食べています。ツバメの巣は天然食品ですので、年齢、性別に関係なくお召し上がりいただけます。
ツバメの巣はタンパク質と多糖類が結合したムチンと呼ばれる良質の糖タンパク質を主成分とし、糖鎖の一種、シアル酸を多く含んでいるのが特徴です。
また、身体のタンパク質を構成するロイシン、リジン、グリシン、グルタミン、チロシン、アリギニン、システイン、ヒスチジン、トリプトファンなどのアミノ酸を含んでいます。こうした豊富なアミノ酸の他に、食物繊維やカルシウム、ナトリウム等のミネラルなどたくさんの栄養素を含んでいる食品です。
これらの栄養素を摂取することによって、細胞に必要な栄養を与えて抵抗力をつけ、若々しく健康な体を保ち、同時に美しい肌を保つのに貢献します。
シアル酸は免疫力の向上、内臓の機能強化、自然治癒力の向上など重要な生物学的機能を担っています。出産後の初乳に特に多く含まれ、赤ちゃんの免疫力をつける役割を果たしています。牛乳や卵など、幅広くさまざまな食品に含まれているものの、その含有量はごくわずかで、食事から摂取することは非常に難しいものです。
また、シアル酸は細胞表面でウイルスをキャッチするので、ウイルスが増殖して体内に侵入してくるのを未然に防ぐ役割をします。このことから抗インフルエンザ薬にも使われています。
このシアル酸を特に多く含む食材はローヤルゼリーやツバメの巣です。特にツバメの巣にはローヤルゼリーの約200倍も含まれていると言われています。
EGF(Epidermal Growth Factor)、すなわち「上皮細胞増殖因子」はアメリカの生物学者スタンレー・コーエン博士が発見し、博士は1986年ノーベル医学生理学賞を受賞しています。
EGFは人間がもともと微量ながら持っているタンパク質で、細胞分裂を促進し、細胞を再生させる役割があります。このことから火傷の治療や傷の回復促進、角膜移植や胃潰瘍の治療など医療分野で幅広く利用されてきました。
最近ではこのEGFを肌から取り込むことによって、年齢とともに低下するお肌の再生能力を高めようと、特に美容分野で活用され、EGF含有のさまざまな化粧品が販売されています。
1980年代に、香港中文大学の江教授の研究において、このEGFがツバメの巣に含まれていることが分かりました。
EGFの分泌量は年齢ととも減少するため、食品であるツバメの巣から取り込むことにより、細胞の本来の再生を促し、若々しく健康的な身体を維持するのに役立ちます。